外国語に勉強法なんてない-私がどうやって外国語を身につけたか-

レシピ通りに料理を作れない人っていますよね。
どうしても、自己流になっちゃう。私、そういう人です。母もです。言われた通りにできないのです。結果が良ければ、べつにいいでしょ、って思っているんです。

私も日本人の例にもれず、中学高校と6年間、英語を習いましたが、どういう奇跡か英検2級までは、かろうじて取ったものの、読めません書けません聞き取れません。もちろん、話せません。

ドイツ語は、ドイツ語をやりたかったから習ったのではなく、私が勉強したかった音楽療法を勉強できる学校が、当時、ドイツにしかなかったため、必然的に学習しました。大学1年生の時に、第二外国語でドイツ語を始めて、2年生の時に突然、留学を決意しました。それからはもう、なりふり構わず勉強しました。

話は変わりますが、私の母は、私を産む日の朝、のんびりと歩いて病院へ行き、(ぽかぽかと暖かい日だったのよ……と。笑)その2時間後に私は生まれました。2500グラム。なるべく無駄な時間と力とお金を費やさずに、ササッとやる。これが、文字通り、生来の私の性格のようです。

大学を卒業したら、無駄な時間とお金をかけずに、ササッと留学しようと思っていました。ですから、大学での残りの2年間はドイツ人の友だちをたくさんつくり、一緒に時間を過ごしました。もしかすると、これが最強の訓練だったかも知れません。日本語を勉強している大学生の男の子たちは、すぐに私をからかう。もたもたしていると、言い負かされる。おかげで「何でもいいからとにかく言い返す」という力がつきました(笑)。

他にも、必修のドイツ語の授業は満点を取るようにし、受講者2人のネイティヴ講師の授業を「私用」し、音楽療法の本を翻訳してノートに書き、NHKラジオドイツ語講座のテキストを暗記し、ゲーテ・インスティテュートというドイツ語でドイツ語を教える語学学院に週2回通い、留学予定のベルリンの学校とのやり取りは、ぜんぶ自分でやりました。その結果、渡独する頃には、私のドイツ語辞書はボロボロになり、中身3分の1くらいが外れて、ほとんど辞書の役割を果たさなくなっていました。

現地では、外国人のための大学入学準備コースで、テキストの読み方や、聞き取った内容のまとめ方、プレゼンテーションの仕方やレポートの書き方を習いました。音楽療法の学校に入学して、最初の1年は、医学に関する講義など、内容が難しいと理解できませんでしたが、2年目くらいからは、それほど不自由なく授業を理解し、意見を言い、教材を読むことができるようになりました。


5年目、病棟で実習をしていた頃には、カルテに書かれた医学用語は病院のパソコンを使って、ドイツ語のサイトで調べられたので、言葉による不自由さは、それほど感じなくなりました。しかし、初級の頃を除き、私は日本語でドイツ語を勉強したことがないため、帰国後、必要な翻訳や通訳をするために、かなりの練習が必要でした。ドイツ語では理解していると思っていたことも、いざ、正確な日本語に訳そうとすると、原語を120%理解している必要があることが分かりました。ですから、帰国後、ベルリンの学校と提携しながら、日本で音楽療法士育成の仕事をする中で、私のドイツ語力は一番、伸びたような気がします。

悲しいかな、使っていない現在は、枯れた植物のように土に還ってしまいましたが(笑)。

韓国語の勉強を始めたのは、4年ほど前です。
こちらも、韓国語を勉強したいから習ったのではなく、音楽療法の講師としてソウルに行った時、良い友だちができたのです。大好きな友人たちと話せるようになりたくて、新大久保学院という韓国語学院の体験コースの申し込みました。1ヶ月でハングルを読めるようにする(叩き込む)という最強のコースでした(笑)。最初の1年は受講生2人の通常クラスで、日本語のできる韓国人の先生に習いました。新大久保語学院で使っていた教科書です。とても良い教材です。懐かし~^^

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こちらの語学学校でも、この教材を使っていますね。上級クラスまであり、良い学院だと思います。
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1レッスン550円(税込)から通える韓国語スクール K Village Tokyo


友だちに会いに韓国へ行くと、習ってもいない単語を並べて、なんとか会話をしました。今思うと、私の友人たちは、なんと忍耐強く、私の意味不明な韓国語を聞き取り、理解し、ゆっくりと答え、分からない単語をていねいに説明してくれたことか…頭が上がりません。2年目からは、個人授業に切り替えて、回数を減らしました。(高かったので。)可能な限り韓国語のみで授業をしてほしいと言ったら、それなら個人授業にするしかないと言われました。

私は、日本語で外国語を習うことが、とても苦手です。音楽家だからでしょうか。説明を聞いて、頭で考えて習得することが難しいのです。それよりも、自転車に乗る練習をするように、感覚で身につけた方がずっと早いのです。それに、一度に二つの言語を聞いていると、頭が混乱してしまうのです。翻訳や通訳をする時には、原語で理解したことを、ターゲット言語で言い直している感じなので、まったく別物です。

ただ、あくまでも私がこういうタイプであったというだけの話で、外国語の勉強法はそれぞれが、自分に一番合った方法、一番らくに、安心して学べる方法を選べばいいと思っています。日本語で外国語を習うことにも、それはそれのメリットがあります。

3年目、3ヶ月間、ソウルの語学学校に通い、中級を勉強しました。私は元々、プロテスタントのクリスチャンなのですが、大人になってからは教会から離れていました。しかし、ソウルでたまたま行った教会の礼拝がとても良くて、帰国後も東京にある韓国系の教会の韓国語の礼拝に通い、そこで韓国人の友だちが何人もできました。

今は、毎週、ソウルの語学学校の、日本語がまったくできない先生にオンラインで授業を受けています。英語も交えることなく、よくもまぁ、こんなに複雑なことを韓国語だけで説明するなぁ、と感嘆します。すばらしい先生です。韓国語では、ドイツ語よりももっとネイティヴに近い、より美しい文章を書き、話せるようになりたいと思っています。どちらの言語の方が易しいとか、難しいという差はありません。

一つだけ、心がけていることは、教科書に出てくる各課の本文は、すべて暗記することです。初級の頃から、全部暗記してきました。

韓国語と日本語には、似ている部分が多いのですが、そのために、かえってハードルが高いこともあります。しかし、似ているようでいて、まったくちがう世界が、とても魅力的です。

私にとって外国語は、勉強する対象ではありません。ですから、勉強法について考えたこともありません。
外国語を身につけることは、未知の世界へ、一歩ずつ足を進めてゆくことです。魚が、初めて泳ぐ水を知り、少しずつ慣れてゆくように、一瞬一瞬、新しい人間に生まれ変わってゆくことです。自分が内に抱く世界を、おおきくおおきく、広げてゆくことです。

私のお気に入りの一冊をご紹介しましょう。なんと商品の説明書ひとつで日本語を勉強したという、すごい人です。教材は多ければいいってものではないようですね。逆に、少なければ少ないほどいいのかも知れません。なにごとも、受け身じゃ身につきません。教材が限られていれば、積極的になりますから。

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