再会のある別れ、再会の無い別れ-すれちがってゆく人々、つながり続けてゆく人々-それを分ける秘密

人生にはたくさんの出会いがあって、それと同じくらいたくさんの別れがあります。
一時をとても仲良く過ごした相手でも、時が経つにつれ、歩む道が分かれ、どんどん遠ざかってゆくことがあります。気がついてみると、お互いがまったくちがう場所に立ち、まったくちがう人々に囲まれ、まったくちがう眼差しで世の中を見つめている……
そんな別れを、私はたくさん経験してきました。


最後に「またね」と言って手を振った時には、想像もしていなかった現実。
こんなふうに書くと、なんだかすごく悲しいことのように思えるかも知れないけれど、私は決して悲しいことだとは思いません。道が分かれてゆくのは、自分が変わり続けている証拠。
数年前に立っていた場所に、今はもう、立っていないということ。
新しい眼差しでものを見て、考えられるようになったという証拠。
目の前の世界がより広くなり、抱くことのできる愛も、より深くなったということ。


それはとってもハッピーなこと。

一方で、別れても、再会する人たちがいます。
一時、連絡が途絶えても、つながり続けてゆく友人たち。
一見、お互いが歩む道が、まったくちがっていたとしても、心と心は離れない……
無理しなくても、ずっと一緒にいられる人たち。


若かったころは、よく分かりませんでした。
いつか別れてしまうであろう人と、会えなくてもつながってゆくであろう人のちがいが。
最近は、それが分かるようになってきました。外れることもたまにあるけれど、だいたい、予想通りになります。この二つを分ける秘密が、解ったからです。そうしたら、怖くなくなりました。大好きな人が、離れて行ってしまうのではないかという疑いを、抱かなくなったからです。


その秘密。何でしょう?
愛情です。
少なくとも私は、そう思います。
誰か特定の人に対する愛情ではなく、人生に対する愛情、世界に対する愛情、人間に対する愛情の豊かさ。

自分には理解できない人やものや状況に対してさえ抱く愛情。
自分自身では、なかなか測ることのできない、心の豊かさ。情の深さ。

もし二人とも、愛情を抱いて生きる人であるならば、その二人は、ずっとつながってゆく。
会えない時間があったとしても、幸福な再会の時が来る。
でも、もし、どちらかがそうでなくなったなら、永遠の別れが来る。


もちろん、これですべてを説明できるわけではありません。
間違っても、人の成熟度とかレベルとか、そういう問題ではない。
そんな差なんて、あって無いようなもの。
情が深いこと=良いこと、と簡単に言うこともできない。
ここに書いたのは、それを踏まえたうえで、私が思っていることです。




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