声で分かる「あなたらしさ」

私は弱視で人の顔や表情が見えない分、声を聞くと、その人がどんな人か、だいたい分かります。例えば、その人がどれくらい自分の声を「作っているか(意識的であっても無意識であっても)」も分かります。

だから私は今まで、詐欺に遭ったり、信頼していた人から裏切られたりしたことがありません。
たぶんこれは、身を守るために自然に身についた能力です。これを、良い形で人の役に立てられないかなぁ、と考えていて思いついたのが「声リーディング」です。

以前、誰かのために特別に曲を作ってあげるという仕事をしたらどうか、というアイデアをもらったことがあります。曲を作るには、その人をけっこう深く知っている必要があります。でも、詩のようなものだったら、その人の声を1分くらい聴けば書けます。

自分では気づいていない素敵なところ、なかなか人に分かってもらえない本来の姿を、声によって認識してもらい、言葉にしてもらうことで、その人が力を得ることができたらいいな、という想いでやってみることにしました。

私が聞き取るのは、「性格」とは少し違います。人が生まれながらにして携えている「その人らしさ」です。アントロポゾフィー(シュタイナーの思想)では、これを「精神」や「自我」といいます。どういうふうにして「精神の響き」を聞き取るのか、詳しくは私の著書「静寂なほど人生は美しい-弱視の音楽療法士が伝える『聞こえない音』の世界」(Clover出版)第一章の「2,聞こえない音ってどんな音?」46ページから48ページに書きました。


アントロポゾフィーでいう「精神」とは、決して病気になることも汚れることもない、健全で崇高な存在です。重い障害をもって生まれた子供も、心を病んでしまった人も、脳の病気になってしまった人も、精神は健康です。アントロポゾフィーの教育(シュタイナー教育)、特殊教育、医学等はすべて、この認識を前提に実践されています。

つまり、良い声も悪い声もありません。人と比較できるものでもありません。
発声法を改善すればより良い声になる、という意味での「耳に聞える声」ではありません。
一人一人ちがった「精神」の色合い、輝きがあり、それが声に現れるのです。


ですから、悩み相談やアドヴァイスはしません。
実際には1分間くらい何でも好きなことを話して録音し、音源を送って頂きます。それを聴かせて頂き、私が詩を書いてお返しする、というやり方です。もちろん、悩んでいることについて話してくださった場合は、詩の中に、お話してくださった内容が盛り込まれるかも知れませんが、それは「答え」ではありません。

音楽活動と直接関係はありませんが、これは私が生まれつき弱視であるというだけでなく、音楽療法を実践する中で培って来た能力でもあります。それを使って、少しでもみなさんのお役に立てるなら、嬉しいでっす。もう少し準備が整ったら、サイトのメッセンジャーと使って始めてみたいと思います。少々お待ちください。

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