ライアー演奏ライブ配信 New!

私がライアーを弾き始めたのは20年前。ドイツの学校でシュタイナー音楽療法を勉強するために必要だったからです。最初の一年ほどは、日本で手ほどきを受けましたが、留学してからは「レッスン」というものを受けた記憶がほとんどありません。同級生たちは皆入学してからライアーを始めたので、私は「弾ける人」として、さんざんこき使われました。
「ちょっとサクラ、この曲に伴奏つけて~」「テキトーでいいから3分くらい何か弾いて~」 音楽療法の学校に隣接していた病院での院内コンサートは私たち学生の役目だったのですが、「ノー」と言えない日本人の私は、その度に便利に使われていました(笑)。ライアー演奏の技術が磨かれたのはこのせいだと思います。

3年めから実習が始まり、4年めは病院の音楽療法士として実際に働くインターンの一年でした。その時はもう、それこそ朝から夕方まで、病院中ライアーを引きずって歩いては、病室を訪ね、患者さんの痛みをほんの少しでも和らげるために、ベッドサイドで静かな易しい曲を慎重に弾きました。元気で歌好きな患者さんには、リクエストに応えて伴奏をしたり、一緒にうたったりして過ごしました。

私にとってライアーは、今まで一度も、特定の曲を練習してコンサートで発表するための楽器ではありませんでした。ですから、譜面台を立てて楽譜を見ながら弾くことは出来ません。暗譜し、自分の一部となっている曲しか、弾くことが出来ません。数年前まで、年に何度かコンサートを開いていましたが、プログラムを作ったことは一度もなく、いつも、その日のお客さんの雰囲気に合わせて、その場で選曲して弾いていました。

聴いてくれる人がいて、その「聴き耳」を感じながら弾く。聴く人と心を合わせ、その場に音楽の空間をつくる。その空間が、やすらぎと静けさと喜びで充ちてゆくように、一音一音、奏でる。これが、私にとってのライアー演奏です。

コロナの影響と私自身の体力の問題で、コンサートが出来なくなり、演奏を録画してネット上にアップするという形を取らざるを得なくなりました。私には常に物足りなさがありました。ただカメラに向かって弾いた自分自身の演奏には、生命の躍動感が欠けていました。ライアー演奏の「私らしさ」が大きく削り取られていました。これならば、あえて私が弾かなくてもいいのではないかとさえ思われました。私よりも難しい曲を正確に弾ける人はたくさんいるのだから。

そんなある日、つい最近まではトーク番組やスポーツ中継が中心だった「ライブ配信」のクオリティが、ここ数年で大きく改善され、音楽の配信も可能なレベルまで音質が向上したことを知りました。まずは試しにやってみよう、と思い立ち、アンドロイドスマホを、マイクの性能がより優れているiPhoneに替えました。試行錯誤の末、自分で後から聴き直してみて、「まぁ、許せるか」という音質での配信に成功しました。

早速、コミュニティメンバーの皆さんにお声かけし、聴いて頂きました。皆さんの喜びの反応は、予想を超えるものでした。おそらく、音質もさることながら、同じ空間を共有しているコンサートに近い感覚が、聴いてくださった方々の心に響いたのだと思います。私自身とても久しぶりに、演奏する喜びを胸いっぱいに吸い込みました。私が弾く一音一音に耳を傾け、受け取ってくれる人がカメラの向こうにいる…… 私の演奏は、一人で録音し、編集してアップした動画とは、まったく違うものになりました。

ライアーを持って施設や病院へ行き、音楽療法を行う体力は、私にはもうありません。でも、こういう形で、聴く人の心に喜びを運ぶことが、私にもまだ出来ると分かり、勇気が湧きました。

毎週日曜日の夜7時から7時半までの30分間、CAMPFIREコミュニティメンバーの方々へ向けてライアー演奏のライブ配信を行っています。お互いがお互いを何となく知っている「コミュニティ」という守られた環境にもまた、意義があると思うからです。ライブ配信はその後一週間、いつでもお聴き頂けます。
この機会にぜひ、くどうさくらのCAMPFIREコミュニティにご参加頂き、ご一緒に音楽の喜びを分かち合えたら嬉しいです。
コミュニティ参加はこちら↓
心癒される音楽を世界中の必要とする人へ!美しい韓国唱歌を日本へ!音楽療法士の挑戦 CAMPFIREコミュニティ (camp-fire.jp)

ライブ配信の様子はこちらの動画にて

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