くどうさくら 詩 詩「心が回復する時」-秀作を賜りました- 夢を見ました 月明かりが ぼんやりと白く照らす 細道を 樹の根と岩につまずきながら 一歩、また一歩 登っていました ほんのわずかでも 気をゆるめたら 左側の崖に 呑みこまれてゆくでしょう 風が来るたびに 枝をゆすり いっせいにざわめく 黒い... 2021.06.20 くどうさくら 詩
くどうさくら 詩 さびしいとつぶやいてみても さびしいと つぶやいてみても それがやっとの思いで くちびるから出した 一言であっても あなたの声を聞いてくれる 耳はなかった そばに来て あなたの手をにぎってくれる 手はなかった 空のうえから わたしはいつも そんなあなたを ... 2021.06.20 くどうさくら 詩
くどうさくら 詩 詩という名の蛇 我が友蛇よ なぜおまえはよりによって わたしのところへ来た わたしは おまえに胸を締めつけられ すっかりおかしくなった まくしたてるひとびとの声が 届かなくなった 耳 声なきものの つぶやきばかり拾う 耳 空っぽの言葉を 吐き出せなくなった... 2021.06.17 くどうさくら 詩
くどうさくら 詩 あさひの中へ あさひの中へ出てゆくとき 気づく わたし生きてる うなじをくすぐる風の手が ささやく 軽やかに生きているよと あさひの中を歩いてゆくとき 感じる わたし進んでる 足に伝わる地面の堅さが ほほえむ しっかりと進んでいるよと あさひが高く昇って... 2021.06.09 くどうさくら 詩
くどうさくら 詩 雲の舞 ジャスミンの香りを 夜風が運ぶ おおきな明るい月の上で 雲が舞う 羽化したばかりの 蝶のように 薄くやわらかな羽を おそるおそる動かして 水の匂いがする 小粒の雨が 家々の屋根を 静かに叩きはじめる 月の光にまもられて 少し濃く... 2021.06.08 くどうさくら 詩
くどうさくら 詩 ことばの叫び お願い わたしを 踏みつぶさないで 踏みつぶして 殺さないで 骨を 砕かないで 砕いて まき散らさないで まき散らされた骨の破片は もう わたしではない それでも 辛い 脅しや さげすみ 陰謀や 略奪 偽善や 自己誇示のために 散布され 砂... 2021.06.08 くどうさくら 詩