賃貸住宅の壁防音-確実な効果&壁を傷つけない防音法

賃貸マンションで楽器演奏はどれくらい可能でしょうか?
鉄筋コンクリート建築でも壁の作りによってものすごい差が出ます。
私が今まで住んだマンションの中には、隣の部屋の話し声の内容まで聞こえるというとんでもない物件がありました。隣家との間の壁にコンクリートが入っていない場合、こういうことが起きます。逆に、隣の部屋の人が毎晩、夜中の12時から1時までギターを弾いてうたう、という変わった習慣の持ち主であったにもかかわらず、聞こえてくるのはわずかな音のみ、睡眠を邪魔されるほどではない、という優秀な物件もありました。

今住んでいるマンションは、ちょうどこの二つの中間程度。引っ越してきた時、隣の部屋の話し声が、内容までは分かりませんが、聞こえて来て眠れず、耳栓をして寝ていました。現在は防音壁を設置したので、もうほとんど何も聞えません。耳をすませば、「話しているかな?」と分かる程度です。

さて、私は、住んだマンション合計3ヵ所で、防音壁を作りました。ライアーの音はギターよりも小さいくらいですが、楽器は楽器。自分も静かな環境で過ごしたいし、人にも騒音で迷惑をかけたくないからです。何事も3回目になると上手になるものです。初めて自分で防音壁を作ったのは夏でしたが、愚かにも、半袖で、手袋もせずに、グラスウール素材をハサミでチョキチョキ切って加工し、何とか完成したものの、部屋中が埃だらけになりました。体中にグラスウールがくっつき、ボツボツが出来て赤く腫れあがり、一週間ほど痛みと痒みで大変でした。その時の壁の写真がこちら。

二軒目のマンションでは、防音材を壁に直接、貼りました。と言っても、剥がす時のことを考えて、防音材の裏側全体に付いている両面テープの、四隅だけを切って剥がして貼りました。それでも、想像以上に剥がすのが大変でした。退去時、剥がしてみたら壁が黒いテープの跡だらけで、セスキソーダとドライヤーと消しゴムを使ってこそげ取るのが一苦労でした。それがこちらの防音材。
効果は、ありました。しかし、溝に埃が溜まります。日焼けして色あせてきます。まぁ、お手頃だし、壁に直接貼らなければ、使えると思います。

壁に貼っていた時の写真がこちら。

さて、今回、三回目の防音壁作成では、まず、壁を一切いじらないことを前提にしました。
出来上がりの写真からご覧ください。

まず、壁上部のピクチャーレールから、壁全体を覆うように段ボールを吊るしました。引っ越しで使った段ボールを折りたたんだ状態で先につなげ、クリップを使ってピクチャーレールに掛けました。

本当は、防音シート⇩を貼ることが出来れば効果が抜群なのですが、このシートは重くて、壁に釘でも打たなければとても貼ることが出来ません。一人で扱うのも容易ではありません。そこで、今回は段ボールで代用しました。段ボールの内部にはその名の通り、細い紙の筒がぎっしりと並んでいます。この凸凹が吸音効果を発揮するのだそうです。

段ボールを壁一面に吊るしただけでも、防音効果を感じました。
この上に装着したのが、東京防音のホワイトキューオンです。

防音材専門の会社が開発しただけあって、少々値段は高いですが、効果は非常に優れています。私が最初に使ったグラスウールタイプの物も、東京防音さんから購入しました。うちの壁は高さが240㎝、幅280㎝ですので、910㎟のものを6枚、高さ415㎜、幅910㎜のものを3枚購入しました。
また、防音材を固定するための突っ張り棒、3mのものを7本購入しました。

先に突っ張り棒を6本、床と天井の間に突っ張ります。2本で幅910㎜の防音材の両端を固定します。

ベランダに近い端は、ビニールのクッション材で覆いました。
これで防音材設置は完了です。ただ、フェルトのような手触りのこの材質、ちょっとチクチクするのと、埃を防ぐ効果も考えて、全体をポリエステルの遮光カーテンで覆いました。7本めの突っ張り棒を天井と水平に突っ張り、230㎝丈のカーテンを吊るしました。端の部分にはカーテンと同じピンク色の模造紙を貼りました。カーテンにも防音効果、断熱効果があり、仕上がりも温かみのある雰囲気になりました。

かかった値段は全部で約6万円。すへてのキットをオーダーメイドで揃えると25万円以上かかります、設置も頼むと30万円では収まらないでしょう。私は、すべて一人でやりました。
工夫と慣れ次第で、防音壁は素人でも設置できます。
賃貸マンションで楽器を演奏するしかない音楽家にとって、ていねいな防音対策は欠かせません。
みなさんも頑張って!

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