くどうさくら 詩

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人生の価値はどれだけ成功したかではなくて…

人生の価値はどれだけ成功したかではなくどれだけ貢献したかにあるのだと思う成功の反響が称賛なら貢献の反響は感謝だ貢献を含む成功は尊いけれど貢献が成功を含むかどうかは重要ではない成功のために貢献を手放さなければならない時がある貢献のために成功を...
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もし目が見えたら―先天性弱視のつぶやき

この世界がどんな姿をしているのかもし、ふつうに見えたならどんなにかおもしろいことだろうきっといくら見つめても飽きない情景にあふれているのだろうもし、ふつうに目が見えたなら私にはどんなことが出来るだろう一生懸命に勉強したらお医者さんになって人...
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悲しみよ

ずっとなにかを我慢しているような気がしていたでもなにを我慢しているのか分からなかったのでなにも我慢していないことにして過ぎゆく日々を追いかけていたある日とつぜん辺りの空気がゼリーのごとく固まってしまった必死で息を吸おうとしても肺を膨らませる...
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詩「できないんだ」

ある日とうとうしびれをきらしてわたしは彼に言った……あなたはどうしてもう少し大人になれないのあの人はきらいだのあいつはぼくをバカにしているだのやつらはクズだのそういうことは思っても口に出すものではないでしょう大人なのだからもっと自制して相手...
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詩「心が回復する時」-秀作を賜りました-

夢を見ました月明かりがぼんやりと白く照らす細道を樹の根と岩につまずきながら一歩、また一歩登っていましたほんのわずかでも気をゆるめたら左側の崖に呑みこまれてゆくでしょう風が来るたびに枝をゆすりいっせいにざわめく黒い木々時間はどこかへ消えてしま...
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さびしいとつぶやいてみても

さびしいとつぶやいてみても それがやっとの思いでくちびるから出した一言であっても あなたの声を聞いてくれる耳はなかった そばに来てあなたの手をにぎってくれる手はなかった空のうえからわたしはいつもそんなあなたを見つめていたずっと伝えたいと思っ...
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詩という名の蛇

我が友蛇よなぜおまえはよりによってわたしのところへ来たわたしはおまえに胸を締めつけられすっかりおかしくなったまくしたてるひとびとの声が届かなくなった耳声なきもののつぶやきばかり拾う耳空っぽの言葉を吐き出せなくなった唇胸の内からあふれ出るもの...
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「こんにゃろうこんにゃくめ」-言葉あそびの詩-

こんにゃろうこんにゃくめおれはおまえがきらいだにてもやいてもこがしてもきらいなものはきらいだなくな、こんにゃくなやむな、こんにゃくおまえはおまえのままでいいかんにゃくにもきんにゃくにもならなくていいもしもいつかおまえをすきになってすきになり...
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あさひの中へ

あさひの中へ出てゆくとき気づくわたし生きてるうなじをくすぐる風の手がささやく軽やかに生きているよとあさひの中を歩いてゆくとき感じるわたし進んでる足に伝わる地面の堅さがほほえむしっかりと進んでいるよとあさひが高く昇ってゆくとき喜びが湧きあがる...
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雲の舞

ジャスミンの香りを夜風が運ぶ おおきな明るい月の上で雲が舞う羽化したばかりの蝶のように薄くやわらかな羽をおそるおそる動かして 水の匂いがする小粒の雨が家々の屋根を静かに叩きはじめる 月の光にまもられて少し濃くなった雲が少し力強く踊りはじめる...
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ことばの叫び

お願いわたしを踏みつぶさないで踏みつぶして殺さないで骨を砕かないで砕いてまき散らさないでまき散らされた骨の破片はもうわたしではないそれでも辛い脅しやさげすみ陰謀や略奪偽善や自己誇示のために散布され砂嵐を巻き起こす自分の骨の破片を見ているのが...
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もし今日が花だとしたら

もし今日がのぼってくる朝日とともに咲きしずんでゆく夕日とともに散る一輪の花だとしたらもし今日が昨日のつづきではなく夜の間にふくらんで明け方にほんのりと色づくつぼみの中に抱かれた一輪の花だとしたら日の光を浴びてひらいた花びらの中でわたしはもう...