椿音楽教室のソルフェージュのレッスンを体験して来ました。大人になってから楽器を始めた人でも、ソルフェージュによってこんなにたくさんの可能性が開けるんだ…… 椿音楽教室でソルフェージュを教えていらっしゃる先生に、直接お話を伺って来ました。
Qは私の質問。Aは先生の答えです。
Q 大人になってから楽器を始めたので、音を聞いても何の音か分からない、メロディに即興で伴奏を付けたくても、どの和音を使えばいいか分からない、という悩みを抱えている人たちがいます。よく、「自分は音感が無いからダメだ」という言葉を聞きます。大人でも、ソルフェージュを習えば音感が身につきますか? 耳コピーや即興の伴奏ができるようになりますか?
A ソルフェージュは、語学に似ていると思います。例えば、小さい頃から英語を話す国に住んでいれば、自然に英語は身につきます。でも、大人になってから英語をマスターしようとするなら、文法を勉強することが大事です。ネイティブの話す英語を全部聞き取れなくても、文法が分かっていれば、何を言っているか予測することができます。
大人のソルフェージュでは、音楽の「文法」である音楽理論を勉強します。同時に、その文法がどんなふうに使われているのか、音を聞いて体験します。その練習を繰り返し行ううちに、すべての音が何の音か分からなくても、文法によって推測することができるようになります。そうすれば、耳コピーや即興の伴奏も可能になります。
Q なるほど! 私は子供の頃からピアノを習っていたので絶対音感はあるのですが、音感に頼りすぎてしまうため、いまひとつカッコイイ伴奏がつけられないのです。「文法」を根拠にして耳コピーや伴奏をする方がより確実で、質の高いものになるような気がします。
では、実際にはどんなふうにレッスンを始めて、どんなことをするのでしょうか?
A 生徒さんの経験や知識に合わせて、どこから始めるかもさまざまです。「ドレミファソラシド」の音階から入り、簡単な童謡、例えば「ぞうさん」などを階名(ドレミ)でうたってみたり、和音の基礎を勉強し、実際にピアノで弾いて体験したりします。
また、生徒さんが好きな曲をYouTubeで探して来てもらい、最初の数小節を聞き取って、楽譜に書いてみたりもします。
生徒さんが目指す「ゴール」を大切にしています。耳コピーや即興伴奏、中にはアカペラでうたいたいので正しい音程を取れるようになりたい、作曲をしたい、という目標を持っていらっしゃる方もいます。そのゴールへたどり着くためには、子供が音大受験を目指して勉強するように、一から十まで何もかもできるようになる必要は無いと、私は思っています。工夫次第でいろいろな可能性が広がりますし、一つのことができなくても、代用方法はいくらでもあります。
A なるほど! そこが、子供のソルフェージュと、大人のためのソルフェージュの一番のちがいかも知れませんね。
次回へ続く
コメント